3. 原付でぶらり


6/3

 

3日目。

朝ごはんは抜きにしてたんだけど、早起きしてしまって、小笠原神社へ。


居間でボンヤリしてたらJさんが

 あれっ、今朝ってご飯いらないんでしたっけ?

と言いながら皿を並べてたので、いただくことにした。こういうときに頑なにプランを通そうとしなくなったのは、最近の自分のいい傾向。

 

トースト

目玉焼き

なんか、いろいろ

ヨーグルトの自家製クランベリージャム和え

はちみつバナナジュース

 




バスで街へ行き、大神山神社へ。

階段を上り、展望台に。

二見港が見渡せる、素晴らしい景色。

 

が、海上保安庁。

バリバリバリバリバリっ!!!

つって、ホバー船みたいなやつが航行してた。うるさすぎ。海荒らしすぎ。

腹立たしい。



レンタル原付を借りに行く。PAPAYAさん。

 

保険がつかないんで、何かあったら全額支払ってもらうことになるので、乗り慣れてる人にしかお貸ししてないんですけど、大丈夫ですか?

と、脅される。

はぉ、まぁ、しばらく乗ってないですが、と、免許を渡す。

 

どうやら昨日のナイトツアーが遅刻するとかやんとかの件で俺に電話をくれていたらしく、なんかその話しで謝られたりなんだり。

いやいやいや、時間なんて気にしたことないし、時間通り来てくれましたよ、と。。

 

島時間、というのがあると思ってた。アフリカ的な。

けど、この島でツアーやバスに乗ると、完璧な時間にやってくる。

10分の遅れは遅刻とみなされる。

15分前行動。

都内やけんかな。。。

 

まあけど、ゆるい空気は変わらないけど。

みなさん優しくて笑顔で親切だし。

 


 

原付を借りた。


スクーターは人生初めて。教習以来、か。

むかしカブには乗っていたし、250にも載っていたので、バイク自体は久しぶり。

初めてのスクーター。ハンドル回すとギュンギュン進む。車も人もほとんどいない島の道を突っ走る。


気持ちが良い。

原付欲しくなった、ほんとに。

やっぱバイクはええなぁ。


とりあえず島を一周。一時間ほどでヨユーで回れてしまう。

途中にはJAXAやら国立観測所やら、各種展望台。


そして、首の無い二宮金次郎。

マップには、首なし尊徳、と書かれている。

後で聞いた話しだと、アメリカ占領中に、アメリカ兵がチョンマゲを面白がって、首をはねて持って行ってしまったそうな。

突然の登場にかなろ驚いた。

ゾッとする、というのか。



中央山展望台、というとこにも。

5分も歩けば展望台なんだけど、そこまでの遊歩道の翠がはんぱなかった。日本じゃないみたいな、南国の山。

 

海より山派、という考えを改めようとしてたこのツアーだったけど、やっぱり俺は山が好きだし、青より翠が好きだな、と実感。

 

小笠原の自然の代表というか、世界遺産として認定された理由てのは、山の方が本来らしい。

けど海が綺麗すぎなんや。


 

街に戻って、土産を買ったりなんだりして、ランチ。

丸丈というとこにいって、島寿司をいただく。

若者たちがきており、その人たちと大将との会話を聞きながら、寿司をいただく。

 

世界遺産なのに、クジラも亀も食べてます、みたいなコメントが印象的。

 

そういや宿でJさんに亀解体の話しも聞かせてもらった。

ひっくり返して、生きたままじわじわと肉を削いでいく、と。

どこかで隠れてやってるらしい。子供は禁止だと。あと、撮影も絶対禁止、とのこと。

YouTubeとかにあがった日には、一瞬で世界中の環境単体に叩かれるんだろう。


なんか、、、儀式みたいだ。


 

宿に戻って、着替えて、シュノーケリング巡り。

 

コペベ海岸でぼんやり。

浅いとこまでサンゴがすごくてどうやって浜に戻ればいいかわからなくなり、焦ったり。

 

森の喫茶店、てとこにもいってみた。ことりっぷカフェ。

山の中に、テーブルなんかをおいて、席にしてある。素敵な店。

なんか、2,3年連続で、小笠原カフェ大賞的なのに選ばれたけど、場所が悪くて、お客さんは増えません、とおじいちゃんが言ってた。

そんな感じもいい、小笠原。


 

境浦海岸へ。

沈没船のあるこの海岸。沈没船の周りまで泳いで行って、潜ってみた。

ちょっとだけ、寒気というか、嫌な気分がしたが、なかなか良い。

 

最後はホームの扇浦。宿の目の前。

ぼんやりしたり、ビール飲んだり、もぐったり。

 

一度結構な沖の方まで行ってしまい、やばい、流されるわ、と思って、必死で泳いだ。なんとか。

なんだかんだ、ここの浜が一番快適で、1番魚が多い気がする。

そして人がいない。

 

てか、いろんなビーチ行ったけど、全然人がいない。

400人乗ってたらしい今回のおがさわらまる。人々はいったいどこへ。。

街歩いててもほとんどいないし。

みんなツアーに乗ってるのかなぁ。

なんか、ダラダラして、かつ、海にはいって、山も見て、なんだか幸せな一日。



 

部屋のベランダでぼんやりビール。

このベランダにはずいぶんお世話になった。

 

朝起きて飯までの時間をここから海を見ながらコーヒーを飲んだり。

夕方帰ってきて飯までの時間をここから海を見ながらビールを飲んだり。

夜寝る前に海の音を聞きながら星を見たり。

この旅行中は常にこのベランダがあった。

 

最後の晩餐。

カンパチのオイスターソース

タコのキムチ

タコ酢

島インゲン

揚げ出し豆腐

サザエの塩焼き

セロリと鶏肉の自家製アンチョビ焼き

タコとサザエは海でとってきたそうな。

タコとの戦いをJさんが話してくれる。

今日はひたすら焼酎にした。

なんだかずいぶんサービスもしてもらった。

亀の煮込みも、追加注文。

モツ煮みたいで、とてもおいしい。


 

この宿自体が、自分の家みたいな感じで使えるし、飯は毎晩友達の家でご馳走してもらってるような、そんな場所。それでいて飯ははんぱなく美味い。

プライベートが欲しければ、部屋に帰ればいい。

部屋にも玄関にも鍵はかかんないけど。

サイコーの宿。

 

いつもの羽蟻タイムが始まり、真っ暗な中で時間は進む。

男三人集合し、霊を信じるとか信じないとかの話。

夏の夜。

オーバー35独身男性たちの合宿。

 

見える見えないって話に関しては、俺的には持論はあって。

可聴域、可視域を超えた部分の波に関しては、人間がわからないだけで、存在してもいいと思う。そしてそのセンサーが少し広い人には、見えちゃったりするんだと思う、と。

人は死んだら、パッと消えちゃうんだろうな、とは思う。意識の面では。ただ、おじいちゃんは、そこにいると思う。

という、なんか矛盾もはらんだ、そんな話。

 

で、Jさんは、じいちゃんがいてほしいってのは大事だよね、的な。

そして、強い思いみたいなのが、死ぬときに、そこの空間を捻じ曲げて、映像だけ残してるってのはあるんじゃないかと。

それが地縛霊とか呼ばれるものなのかも、的な。

なんかちょっと面白かった。

霊、は信じてないけど、光と時間の曲がり、という、なんか相対性理論的な。

そんな話をしてた。

 



そして、すべらない怖い話、という、滑りまくるDVDを見た。

滑りすぎて怖い。


そんなDVDを見た後、近くのトーチカにみんなで。

この島、たくさんの防空壕がある。

いちおう、空襲だけで、地上戦はなかったと言うことなので、沖縄的な、防空壕に爆弾投げられて、みたいなのはないみたい。

ランタン持って、防空壕、

こわいこわい、といいながらも言い出しっぺのMさんを尻目に、俺はどんどん中に入ってしまう。

昼間はさすがに怖かってんけど。酒入ってたのもあるのかな。


帰って、即寝。

兵隊さんの霊は、でてこない。