9. 自然の宝庫

9.1.アフリカ・フォー・ビギナーズ

9.2. フィッシュリバーキャニオン

9.3. ナミブ砂漠

9.4. フィンガークリップ

9.5. エトーシャ国立公園

9.6. スピッツコッペキャンプ


9.1. アフリカ・フォー・ビギナーズ

アフリカといえば豊かな自然・地球を感じられる場所、という印象が強い。ナミビアはAfrica for beginnersとヨーロッパでは呼ばれているらしく、観光旅行にはもってこいの場所である。首都の宿はコストパフォーマンスが非常に高く、衛生面も品質が高い。良質のレストランや大型スーパーマーケットなどもあり、食事や買い物にも困らない。治安も、他のアフリカ諸国と比べればかなり良いといえる。そしてナミブ砂漠に代表される自然の素晴らしさ。首都には多くのツアー会社があり、ラグジュアリーなキャンプツアーを楽しむことが出来る。



9.2. フィッシュリバーキャニオン

ナミビアに赴任し直後の首都滞在中に、初めて行った旅行はフィッシュリバーキャニオン。首都ウインドフックから南へ約500kmのところにあるキートマンスフープという町から、さらに南西へ200kmほどいったところにある。アメリカのグランドキャニオンに次ぐ、世界第二位の渓谷だとのこと。


首都からは電車で一晩かけて南下。仲間たちとわいわいしながら、寝台のコンパートメントで、時速30kmほどの電車旅を楽しんだ。線路以外は何もない。夜中に窓から外を見ると、満面の星空。地平線のすぐ上には星。360度の星空。目線と水平に見える星が見える国というのは、なかなか無い。


ひとまずホテルにチェックイン。N$250くらい。エアコンもついた、非常にきれいなホテル。


キートマンスフープでミニバスを手配する。初めての交通交渉で、まだ相場も見えていないし、どの程度のものなのかもわからないが、結局往復で、というか1日ハイヤーして、N$500で手を打った。後から話を聞くと、この値段は安すぎる、とのこと。悪いことをした。


フィッシュリバーキャニオンは、広大だった。

アフリカ、っていう感じ。


そして帰り道。


タイヤがパンクした。

スペアタイヤに交換して、しばらくすると、それもまたパンク。。。。


それでも無理やり走るんだけど、途中であきらめ。

途方にくれていると、別の車がやってきたので、その車にドライバーとタイヤを乗せてもらい、われわれとパンクした車は待ちぼうけ。真っ暗。

1時間半ほどして、彼らが帰ってきたので、タイヤをつけ、出発。


途中にあったレストランで休憩し、その間にドライバーがスペアタイヤを修理しにいっていました。


そして帰り道。

またパンクしました。


いよいよ最後のセット。あたりは闇。何も無い。


なんとか無事にホテルにたどり着いた。

タイヤが何度もパンクするわ、もともとの値段も値切りすぎるわ、どうにも申し訳ない感じだったので、最後に追加を払おうと思ったのだけど、ドライバーたちもぐったりで、われわれをホテルにおいてすぐさま消えていった。


翌朝、帰りはミニバスでウインドフックまで。出発したと思ったら、いろんな人の家をまわったり、また元の場所に戻ってきたりと、よくわからない動きをしながら、ようやく出発。


初めてのミニバスのシステムに、動揺した。





9.3. ナミブ砂漠

ナミビアで一番の観光ポイントといえばなんといってもナミブ砂漠である。首都の宿に泊まっていたときも、出会う日本人はみな、ナミブ砂漠のツアーにいって、そのあとケープタウンに移動、という行程で統一されていた。

日本のテレビ番組にナミビアが出てくることが増えてきたが、ナミブ砂漠の雄大さ、というのは欠かせない要素である。2012年の紅白歌合戦でMISIAが歌った場所、でもある。


ちなみにナミブとは、現地の言葉で「何も無い」を意味する。ナミビアの国名の語源にもなっている。


2年間の滞在中に、いわゆるナミブ砂漠と呼べる場所には2度行った。いわゆる、というのはなぜかというと、ナミブ砂漠は非常に広大であり、海岸沿いの観光地であるスワコップムンドに行くだけでも、ナミブ砂漠を見ることはできる。ただし、ナミブ砂漠に行く、というと、基本的にはソーサスフレイとかデューン45という、名所を訪れることを指しているる。


ソーサスフレイ(Sossusvlei)は沼の行き止まり、とかそういった意味で、デッドフレイ(死沼)というのもある。デューン45(Dune45)とは、砂漠のそれぞれの丘をDuneと呼び、砂漠の入り口であるセスリムという町から45kmのところにあるためにそのような名前になったようだ。


ここに行ったのは2008年の3月、それから2009年の5月。

一回目のときは、協力隊員の先輩や同期たちと、ミニバスを借り切って行った。先輩たちは任期を終えて帰国する直前で、ナミビア旅行経験が豊富なため、細かい情報をいろいろと教えてもらいながらの旅行だった。

ひたすら荒野を走りぬけるのだが、ときおり寄り道するポイントもいくつかある。

鉱山のほとりで、鉱石を売っている場所。周りには何も無いのに、なぜかそこに露店が並んでおり、鉱石を販売している。お金よりも水が欲しいといい、物々交換になる。なんとも不思議な商売だ。アップルパイの美味しいドライブインもある。


夜は砂漠の入り口付近でキャンプをした。ゲートは日の出まで開かないので、砂漠から朝日を見るには、前泊する必要がある。敷地内のホテルは高いので、キャンプ場、となる。そこでキャンプを張りつつ、いったんDuneを見学に。

夕食はソーサスフレイロッジという高級ロッジのレストランでバイキング。いろんなゲームミート(獣肉)を食べた。

ゲームミートといえば、クドゥ、スピリングボック、シマウマ、ダチョウ、インパラ、ワニ、などなど、本当にさまざまな種類の肉を食べるのは、ナミビアのひとつの楽しみでもある。


翌朝、日の出前に出発し、Dune45を登る。この砂丘を上まで登るのはかなり大変なのだが、前日に続いて再び登る。そこで日の出を迎えた。29歳の誕生日。

こんなところで誕生日を迎えるとは、思ってもみなかった。

素晴らしい朝日。素晴らしい景色。


そこからソーサスフレイへ。ここへいくには車を乗り換えて、さらにまた長い距離を歩いた。


これが一度目の砂漠。




 

二度目の砂漠のときは、姉が日本から友達と旅行にやってきたので、首都の旅行会社のツアーに申し込んだ。

ナミビアのツアーは非常に快適。10人くらいの乗り合いで、途中の宿泊はキャンプ。2名ずつ相部屋で、立派なマットと寝袋があるので、寝心地も最高。そしてドライバー兼添乗員が食事をすべて準備してくれる。夜ご飯はローカルフードを作ってくれる。

 

このときは、砂漠から少し離れた場所にあるキャンプ場。プールもついたリゾートキャンプ。日本からツアーできていた人とも知り合ったりした。

ここからの出発だったので、砂漠の観光は、日の出ではなく、昼前くらい。暑くなるギリギリのタイミング。

Dune45は登らずに見るだけで、デッドフレイで自由時間。デッドフレイは砂漠の中に一部地面が干からびている部分があり、そのなかに木がぽつぽつと。まるで火星の地表面のような景色。この世のものとは思えない。

 

砂漠をそのまま通り抜けて、スワコップムンドへ向かい、そこで一泊、というツアー。

スワコップムンドでは自由行動だったのだが、スカイダイビングをやった。セスナで3000m程度上昇し、砂漠の上空からのスカイダイビング。爽快だった。

 




9.4. フィンガークリップ

ナミビアの西部、海岸沿いの砂漠とエトーシャ国立公園にはさまれたあたりは、ナミビアの主要部族のひとつでもあるダマラ族の住む地域、ダマラランドと呼ばれており、コリハスという町がその中心となっている。

この周辺にもいろんな観光地があり、トワイフェルフォンテインという、世界遺産に認定されている壁画などもあるのだが、特に素晴らしいがこのフィンガークリップ。


親指岩、という名のとおり、とてつもない巨岩が山の上にぽつんとたっている。

そして周辺を無数のテーブルマウンテンに囲まれている。


そのほかにも、この周りには、オルガンパイプスという奇形岩群や、木の化石などなど、さまざまなものが見られる。


ナミビアの観光地、世界最大の隕石とか、なんかいろいろとあって面白いのだけど基本的に何の説明看板もなくて、かつ、大事に扱われている雰囲気も無い。だが、見た目の壮大さはすごいので、それですべてもっていかれる。




9.5. エトーシャ国立公園

アフリカといえばやはりサファリ。ナミビアにも、いくつかのサファリがある。もっとも有名なのが、エトーシャ国立公園。四国とほぼ同程度の大きさの、動物園、といえる。

実際には動物園ではなく、保護区であり、動物たちが誰かに管理されているわけではない。周辺を柵に囲まれている。だが、入場門をくぐると突然キリンがでてきたり、といったことがあり、ここにくるとたくさんの動物にあえる、というのが、動物園のような趣の場所でもある。


場内は車である程度自由に走ることができるのだが、われわれはミニバスだったので、荒れた道を走ることは出来ず。動物の群れを見て回るのはなかなかに壮大ではある。ライオンとシマウマのせめぎ合いも見た。結局、戦うシーンには遭遇しなかったが。


季節と時間帯、タイミングに大きく左右されるサファリツアーである。


アフリカにいて、動物をその辺で見た? と聞かれることもよくある。


サファリに行けば、本当に多くの動物を見ることが出来るし、広大な荒野に動物の群れがいる風景は日本にはまずない景色だ。

普通の道端、となると、さすがにライオンやゾウが歩いているはずはない。家畜であるヤギ、ウシ、ロバ、ブタなんかは当たり前のように見かける。一度、キリンを見たことがあるが、エトーシャ付近であったため、おそらくは中にいたのがでてきてしまったのだろう。


また、ナミビアの北東部にいくと、道路の両脇を国立公園で挟まれた場所があるのだが、そこでは、像の群れが道路を横断しているという不思議な光景を見ることが出来る。






9.6. スピッツコッペキャンプ

有名な観光地ではないが、首都で暮らしていた時の大家の息子リッキーが一度キャンプツアーに連れて行ってくれたので、それも紹介。2013のTICADつながりで横浜のアフリカフェスタにお店を出しにきたくらい、いろんなコネを持つ彼は、外国人用のツアーを企画しようとしていて、そのトライアルに連れて行かれた。


彼の地元である、UISという西部の町の、農場に一泊。

そのあと、スピッツコッペという、鉱物で有名な山でキャンプをした。


ナミビアといえばラグジュアリーキャンプ。

広いテントにエアベッドを入れて、ぐっすり寝られる。


このときは、キャンプ自体の質はラグジュアリーとは言えないが、ロケーションがすごかった。

洞穴キャンプ的な。

うまく説明できないので、写真だけ掲載。